森保ジャパンが6月11日にピクシーこと、ドラガン・ストイコビッチ監督率いるセルビアと国内で対戦することが26日、分かった。両国協会で合意しており、日本政府による、2週間の隔離を免除する特別な来日許可を待つのみとなっている。90年代にJリーグで対戦した2人の、代表監督としての“再戦”にも注目。正式決定すれば、欧州勢との日本での対戦は16年6月のボスニア・ヘルツェゴビナ戦以来、5年ぶりとなる。日本協会は欧州の代表チームと、6月に2試合の強化試合を予定している。

ピクシーとポイチの対決が実現する。すでに両国協会では合意。新型コロナウイルス感染拡大の第4波で、日本政府による、特別な来日許可が下りず、現在は承認待ちの状況だという。3月に就任したストイコビッチ監督は、約10日前に地元のテレビ局とのインタビューで「次の代表の試合は日本でのキリン(チャレンジ)カップだ。確か、6月7日と11日だと思う。FIFAが決めたマッチデーでの試合となる」と話している。この時点では、まだ交渉はまとまっていなかったが、選手として8年間、監督として6年間過ごした日本への愛着が強すぎてか、“オフサイド気味”の発言も飛び出すほど、来日を心待ちにしているようだ。

日本は6月3日にも欧州の別の国と対戦する予定で、欧州選手権の予選敗退国を中心に交渉している。欧州はネーションズリーグなどが始まったこともあり、日本で欧州勢との対戦は、5年ぶりとなる。

両監督はともに、Jリーグの優勝監督。指導者としてすでに12、13年に4度対戦し、森保監督が1勝3分け。当時森保監督率いる広島はリーグ2連覇を成し遂げている。選手としては11度対戦し、ストイコビッチ氏の6勝5敗だ。今回、代表監督としては初対戦になる。

5~6月には22年ワールドカップカタール大会のアジア2次予選3試合が日本で集中開催される。そして、9月には同最終予選が始まる。その間、強化のための国際親善試合は組めない。日本は現在、2次予選5連勝中で残る2戦は消化試合になる可能性が高いため、2次予選の合間に欧州勢との強化試合2試合の強行を決めている。アジアの中で、日本以外の強豪国にはまだ、その余裕はない。2次予選ここまでの“貯金”が、欧州勢との対戦という“投資”で、さらに大きな“利益”を生み出すことになるのか-。正式発表のタイミングと、その成果に注目が集まる。

◆ポイチ対ピクシー 現役時代にJ1リーグ戦で11度対戦し、ストイコビッチ6勝、森保5勝。両者が初めてピッチで顔を合わせたのはストイコビッチの名古屋でのデビュー戦だった94年8月10日の広島戦。2人はともに先発し、前半6分に森保がFKをヒールキックで流して先制点をアシスト。一方のストイコビッチは前半18分に2枚目の警告で退場。森保はフル出場し、試合は広島が4-0で勝った。Jリーグの監督としては12、13年に計4度対戦し、森保監督の広島がストイコビッチ監督の名古屋に1-1、2-1、1-1、1-1と1勝3分け。