U-24日本代表は12日、ジャマイカ代表との国際親善試合(豊田ス)に臨む。今月下旬の東京オリンピック(五輪)代表メンバー発表前最後の一戦。A代表と兼任する森保一監督(52)に代わって指揮をとる横内昭展監督(53)は前日会見で「選手もプレッシャーはあると思う。A代表を相手にした圧力の中でいかに自分のよさを発揮するか」と、あくまで勝利を求めた。

2つの狙いがある。1つは本大会を見据えたチームの強化。今回の活動から合流したオーバーエージ(OA)の3人と五輪世代の融合を進める意味でも、試合を重ねることが重要だ。OA組のDF酒井はロンドン五輪を経験し「能力があれば勝ち上がれるのかというと違う。チーム作りがものを言う」と、連係強化の大切さを口にした。五輪で目標である金メダルを獲得するには強豪国との対戦は避けられず、ここでA代表を相手にどれだけ戦えるか試せるのも大きい。

そして最終選考。激戦区となっているGKやFWに加え、5日のガーナ戦で先発を外れた選手はアピールに燃える。横内監督は追加招集のDF瀬古も含めて「全員が準備をしてくれている」と起用の可能性を示唆。瀬古は「最初のメンバーに入れなかったが、割って入るプレーを見せたい」と闘志をみなぎらせた。

この日は試合会場で公式練習。公開された冒頭約15分間でのランニングやストレッチ、ボール回しなどでも、緊張感が表情にあらわれる選手がいた。メダルへの強化と代表サバイバル。2つの意味を持つ、最終試験が幕を開ける。【岡崎悠利】

○…ジャマイカ代表は来日している19人のうち、けが人を除く18人が試合会場で公式練習を行った。プレミアリーグのワトフォードでプレーするFWグレイら7人のイングランド勢を選出。この日の会見は腹痛で欠席したウィットモア監督の代わりにウェイトコーチが出席した。3日に予定されていたA代表との試合は新型コロナウイルスの陰性証明書の不備で中止。待ちに待った試合に「爆発的スピードでの展開が強み。駆使して臨みたい」と意気込んだ。