元なでしこジャパンで11年W杯ドイツ大会優勝メンバーのFW安藤梢(38=三菱重工浦和)が、2年ぶりに日刊スポーツでなでしこをチェックする。

ワールドカップ(W杯)4度、オリンピック(五輪)3度出場の圧倒的な経験をもとに、東京五輪まで、なでしこの試合を分析する。

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メキシコに、これだけ中盤を振り回され、クロスを上げられたことがショックだった。日本は最前線からプレスを掛け、中盤も連動する動きはみせたが、ボールを奪い切ることができなかった。中央ではフリーで前を向かせたし、サイドから何本も中へボールを入れられた。相手が世界レベルではなかったので、ピンチにはならなかったが、東京五輪に出場するチーム相手なら、間違いなく何度も失点危機を招くことになっただろう。

東京五輪まで1カ月余り。これから連係を高めていくとは思うが、今は個々で守ってる感じが強い。相手をどこに追い込んで、どこでボールを取るかがハッキリしていない。球際をもっと激しくいかないと、ボールを奪い切ることは難しい。

両サイドも、簡単にクロスを上げさせていた。もっと激しくきつくアタックしていかないといけない。本来、メキシコが相手なら、サイドからのクロスは1本も入れさせてはいけない。カナダやイングランドだと、もっと速くて精度の高いボールが入るし、ゴール前のダッシュも鋭くなる。メンバー選考前の最後の実戦で、課題が浮き彫りになったことを良しとするしかない。(元なでしこジャパン)