「#がんばれガク」。サッカー日本代表MF柴崎岳(29=レガネス)を応援するメッセージが10日までに、SNS上で多く寄せられた。

7日(日本時間8日未明)のW杯カタール大会アジア最終予選サウジアラビア戦で痛恨のバックパスから相手の得点を献上。批判が相次いだが、「#10月は柴崎マンスリー」。プロ初得点、レガネスでの初得点など節目のゴールは10月。最終予選初得点を10月12日オーストラリア戦(埼玉)で決め、汚名返上する。

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「柴崎、ずっと応援している」「どんどん行こう」「岳様、自分を信じて頑張って欲しい」「予選が終わったわけじゃないよ」。アジア最終予選のサウジアラビア戦で、相手の得点を“アシスト”するような痛恨のバックパスを犯した柴崎を鼓舞するメッセージが、ツイッター上に多く出現した。古巣の鹿島サポーターのみならず、多くのファンが背中を押した。「#がんばれガク」まで出現。温かい、コメントであふれた。

そんな愛情あふれる投稿を見たのか、否か-。この日の柴崎の表情は、明るかった。千葉県内でのトレーニング2日目。報道陣には冒頭15分のみの公開となったが、ボール回しでは積極的に声を出し、場を盛り上げた。サウジ戦でボランチを組んだMF遠藤とストレッチをし、時折笑顔を見せながら、来る12日オーストラリア戦へ向けて調整を進めた。

相性のいい勝負月で、汚名返上する。逆風の中で「10月」は、柴崎にとって追い風。ツイッター上では「レガネスの日本公式アカウント」が、4日に次のようにツイート。プロ初得点は11年10月9日、Jリーグ初ゴールは翌年の12年10月6日。そして現在所属するレガネスでの初得点も、20年10月25日だった。やはり、今季初得点も21年10月3日。ペナルティーエリア外の左から、強烈な無回転のミドルシュートを決めてみせた。「#10月は柴崎マンスリー」を添えて。

もちろん批判のコメントも多い。サウジ戦での痛恨のバックパスは「絶妙なスルーパス」とやゆされ、一時は誰もが編集できるフリーの百科事典のウィキペディア上で、柴崎の国籍が日本からサウジアラビアに変更される騒動まで起きた。

批判されるのがプロ。プロである以上、結果でやり返すしかない。日本代表である以上、当然視されるW杯出場は勝ち取らねばならない。指揮官の進退問題に発展するかもしれない12日オーストラリア戦。信頼してくれる指揮官のためにも、応援してくれるファンのためにも、やるしかない。柴崎が男を見せる時だ。【栗田尚樹】