日本代表の主将でDF吉田麻也(33=サンプドリア)が、日本サッカーの将来を背負い、オーストラリア戦のピッチに立つ覚悟を示した。

日本は既にW杯最終予選で2敗。3敗目を喫すれば、7大会連続のW杯出場がさらに遠のく。絶対に負けられない戦いを前に、主将は悲壮感を漂わせた。

吉田 自分たちの結果が、日本のサッカー、将来に直結するということを理解しないといけない。本当にW杯に出る、出ないは、僕たちだけでなく、サッカーに携わるすべての人たちの死活問題になる。

98年のW杯フランス大会から6大会連続でW杯に出場し、3度、ベスト16を経験した。若い世代の選手はW杯出場が日常となり、93年のドーハの悲劇を含め出られなかった時代は「過去」になった。日本サッカー協会では「2050年のW杯優勝」の壮大な目標を掲げ、育成や強化に乗り出している。その中で、万一、W杯出場を逃せば、日本のサッカーの進化の歩みが止まるのは必至だ。だからこそ「この一戦の意味は非常に大きい。それだけのものが、自分たちの背中にのしかかっているのは事実。そのプレッシャーを力に変えていかないといけない」と強調した。

元日本代表の本田圭佑はSNSで日本代表に「大いにこの逆境を楽しめ」とエールを送っている。吉田は「こういう状況を楽しむのも大切だと思いますけど」とした上でこう言い切った。「一方で、この責任をしっかり受け止めて、自分たちがまいた種なので。自分たちが取り返さなくてはいけないことも肝に銘じて戦わなければいけない」。敗れたサウジアラビア戦後は「結果が出なければ、協会、監督、選手も責任を取る覚悟ができている」と言った。日本サッカーの将来のためにも、勝つことだけに全集中する。【岩田千代巳】