DF安田理大(20=G大阪)が「おとこ気」で岡田ジャパンの力になる。22日のW杯アジア3次予選バーレーン戦(埼玉)に向けた同代表メンバー25人が16日、発表され、安田が5月のキリン杯合宿以来の復帰を果たした。左サイドバック(SB)の長友佑都(21=東京)が右足首痛のため、今回はメンバー外。安田は左太もも裏痛から14日に実戦復帰したばかりだが、手薄な左SBで岡田武史監督(51)を助ける。また、岡田監督は初招集したFW佐藤寿人(26=広島)スーパーサブで起用する方針を明かした。

 サイドバック不足の岡田ジャパンを救うため、安田は強気な言葉を繰り返した。「(体調は)めちゃめちゃ上がってますよ。上がりすぎて逆にキツいくらい」。フィジカルは100%ではないが、指揮官の期待に応えるためにもやるしかない。東京長友が右足首痛で今回はメンバー外。「長友くんもケガしてるみたいやしね。3次予選は突破したけど、大事な試合」と力強く言った。

 左太もも裏の軽い肉離れで、キリン杯に向けた代表合宿中の5月23日に離脱した。既に完治したが、スタミナがまだ十分ではない。14日の大院大との練習試合で実戦復帰したが、終盤はバテた。筋肉痛にもなった。この日も自ら「(招集されるかは)どっちになるか分からなかった」と明かしたほどだ。

 それでも期待は大きい。G大阪西野監督は早大時代の後輩になる岡田監督に電話で「90分は厳しいぞ」と伝えていた。「それでも力を借りたい」と頼まれたという。岡田監督は安田の招集について「長友が無理そうなので、安田がどんな状況か気にしていた。今はサイドバックが薄いんでね」と説明した。

 バーレーンは因縁の相手だ。3月の対戦で、W杯予選初先発の安田は持ち味を出せずに途中交代。試合も0-1で敗れた。既に最終予選進出を決めたが岡田監督は「プライドをかけて戦う」と明言。安田も同じ思いだ。「選手も日本国民も悔しい思いをした。ホームやから絶対に勝ちたい」とリベンジを宣言した。

 この日は01年に他界した父辰雄(享年46)さんの命日だった。悲しみに暮れたあの日からちょうど7年。「おとんの命日にいい知らせが聞けてよかった」とかみしめた。17日の合宿から、さらに体調を上げる。そしてバーレーンにきっちり借りを返し、岡田監督を男にする。【北村泰彦】