日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(57)がアジア杯(11年1月7日開幕、カタール)に備え、12月中に強化合宿を計画していることが分かった。日本協会の原博実強化担当技術委員長(51)が8日、明かした。J1、J2の最終節(12月4日)から天皇杯準々決勝(同25日)までの間に間隔があるためで、天皇杯準々決勝進出クラブに所属していないアジア杯代表選手を招集。同杯前に「ザック・イズム」を浸透させるのが狙いだ。

 3位以上を目標に掲げるアジア杯を前に、強化合宿で「ザック・イズム」を浸透させる。原技術委員長は「ザッケローニ監督から、12月に合宿はできないかと聞かれた。アジア杯があるので、できるようにクラブ側と調整しようと思います」と明かした。

 リーグ最終節の12月4日から同25日の天皇杯準々決勝までの間は約3週間。そこで、天皇杯敗退が決まったクラブ所属のアジア杯代表選手を集め、1週間前後の予定で強化合宿を実施する。同委員長は「アジア杯へ少しでも準備期間をつくりたいのだと思う」と、同監督の意図を説明した。

 10月の親善試合2試合(アルゼンチン、韓国戦)からザックジャパンが本格始動するが、11月はリーグ戦が佳境に入るため、代表招集は不可能。ザッケローニ監督には親善試合2試合とアジア杯直前合宿しか準備期間がない。短期間の強化合宿でもザック流浸透には貴重な時間となる。

 また原委員長は、天皇杯8強に進出したクラブの選手には、リーグ最終節からの約3週間の間に休養が取れるようにクラブと交渉する構え。アジア杯に万全で臨める態勢を整える。この日、同監督は大阪から帰京後、家探しを実施。4人のスタッフとともに入居できる都内のマンションなどを物色し、夜はナビスコ杯川崎F-鹿島を視察した。

 9日にはイタリアに一時帰国するが、「18日のリーグ戦を視察したい」と話し、すぐに再来日する見込み。9月中に行われるJリーグ強化担当者会議にも出席し、各クラブに協力を要請することになった。