<U-19アジア選手権:日本4-0ベトナム>◇6日◇1次リーグ◇中国山東省

 日本が、厳重な警備の中で1次リーグを突破した。初戦でUAEに勝った日本はベトナムと対戦。ピッチの周りを警官が取り囲む異様な雰囲気の中、エースFW宇佐美貴史(18=G大阪)のハットトリックなどで4-0と大勝した。2連勝で勝ち点を6とし、8日の最終戦(対ヨルダン)を残してグループ1位突破を決め、8カ国による決勝トーナメント進出。なお、決勝トーナメント初戦では韓国かオーストラリアとの対戦の可能性がある。

 初戦UAE戦では試合前の国歌演奏の際に、乱入男にピッチ上の日の丸を奪われる事件が起きた。中国協会と大会側の「警備を厳重にする」という約束通り、この日はピッチをぐるりと警官が囲む。尖閣問題で日中関係は微妙だが、若い選手たちは集中した。

 開始8分、宇佐美のアシストでMF六平(中大)がミドルシュートで先制。前半終了間際に宇佐美が25メートル弾で2点差。ここから宇佐美の独壇場。キープ力、ドリブル、シュートでベトナムDF陣を圧倒。後半にも宇佐美が2得点し、4ー0と大勝した。

 宇佐美

 まだまだ。これでは強い相手の時に勝てない。(スタンド外が騒がしいが)サッカーをしに来ているので、勝つことだけ意識した。

 エースストライカーはハットトリックにも表情を変えず、コメントにも余裕を感じさせた。

 勝てば2大会ぶりのU-20W杯出場が決まる。決勝トーナメント1回戦(準々決勝)は、D組の韓国かオーストラリアが相手。中1日で3試合を戦う強行軍を考えれば、2試合で突破を決めたかった。

 試合後の布監督は「2戦目ということで緊張も取れて、いい形で主導権を握って得点を重ねられた。初戦に続いて勝ち点3を取れて良かった」と言った。相変わらず守備陣のもろさは改善されず、この日も決定的な形を何度もつくられてしまった。それでも、どうにか無失点。日本代表には大きな2勝目となった。