【マナマ(バーレーン)5日=阿部健吾】U-22(22歳以下)日本代表の中東遠征の初練習で、MF小野裕二(18=横浜)が別メニュー調整を余儀なくされた。バーレーンに向かう機内で感染性胃腸炎を発症。1人ホテルで自主トレとなり、練習場に姿をみせなかった。9日のサウジアラビアとの親善試合が中止になったのに続く誤算。DF実藤友紀(22=川崎F)もウイルス性腸炎で合流時期が未定。関塚隆監督(50)にとって波乱の中東遠征の初日となった。

 午後3時に始まった中東遠征初練習は、日が暮れた午後5時20分過ぎまで及んだ。時差ぼけなどもある中、守備ラインの確認や、ハーフコートでの10対10のミニゲームなどみっちりと体を動かした。FW永井が「周りとコミュニケーション取れたし、いい練習だった」と話すなど選手たちは充実の表情だったが、そこに小野の姿はなかった。別調整で、宿泊するホテルのジムで、1人で自主トレを強いられた。前日に感染性胃腸炎を発症。快方に向かっているが、全体練習には参加を控えた。

 4日に成田空港を飛び立った機内で体調が悪化した。成田から経由地の香港までの約5時間のフライトで嘔吐(おうと)が止まらなくなった。バーレーンまでの機内でも結局食事も取れなかった。5日午前0時すぎにバーレーンに降り立った時、表情は1人青白く、9日のサウジアラビア戦の中止について、「それよりも自分の体調です」と声を絞り出していた。

 横浜で今季10番を担う18歳。昨年11月のアジア大会金メダルのメンバー11人に、新戦力11人を融合するのが遠征のテーマで、同じく18歳のMF宇佐美とともに飛び級で招集されていた。

 またウイルス性腸炎で4日に出国できなかった実藤も、体調が回復した場合、今日6日に渡航する予定だったが、依然食欲もなく下痢も止まらない状態。合流時期は未定だ。

 前日4日、9日に対戦予定だったサウジアラビアの“ドタキャン”で親善試合が中止。目下代わりの相手を模索中だ。波乱続きで始まった中東遠征。バーレーンに到着した直後、同監督が「2試合やって帰る。目的はしっかり果たしたい」と話した通り、これ以上のトラブルは避けたい。