ザックジャパン、オール長友化!

 日本代表のDF長友佑都(24=インテルミラノ)がA代表と、ロンドン五輪出場を目指すU-22日本代表選手に体幹トレーニング教室を開講するプランを明かした。日本代表は4日、7日チェコ戦に備え、試合会場となる日産スタジアムで練習。日本の未来に尽力する「長友先生」は、18日に東日本大震災の被災地を初めて訪問することも決まった。

 長友が先生になる。練習後、体幹トレーニングを以前アドバイスしたU-22日本代表のMF原口元気(20=浦和)が喜んでいることを聞かされると「うれしいっすね~」と笑顔。そして、頼もしい口調で宣言した。「じゃあ、体幹教室を開きます!」。

 170センチと小柄な体でも、海外の大型選手と競り合って倒れない体の芯の強さは、世界最高峰クラブのピッチで実証済み。その鋼の肉体の礎となっているトレーニング法を、A代表の選手に伝授する。若手を中心とした仲間も長友から何かを吸収しようと意欲的で、代表選手が強固な体幹を身につけて「長友」と化せば、14年W杯ブラジル大会への道は開く。

 その教えは、A代表にとどまらない。原口にそうしたように、19日からロンドン五輪2次予選を控えるU-22日本代表にも開講する。「若い子にも、どんどん伸びてほしいですからね。若い選手と一緒に、世界を目指したいですから」。ロンドン行きの切符をつかんでほしい気持ちと同時に、五輪代表からもW杯の戦力となる選手が出てくると信じている。

 長友は明大1年時に椎間板ヘルニアを発症。リハビリの中でフィジカルコーチだった芝田貴臣氏(現横浜FC)から体幹強化メニューを学び、毎晩遅くまで励んだ。腹筋、背筋を、さまざまな体勢で鍛える内容で、活躍の場所をプロ、そしてセリエAに移しても、日課として続けている。1日ペルー戦は後半22分からの出場だったが、チェコ戦は先発が濃厚。体幹の重要さをピッチで見せる。

 今月18日には被災した宮城県を訪問する。CMに出演している大塚製薬の協力で、複数の避難所でサッカー教室を開く予定だ。翌19日は「父の日」で、「長友パパ」の来訪に子供たちも喜ぶに違いない。「被災者の思いを背負ってプレーしたい。見ている人たちに、少しでも勇気を与えられる試合になれば」。今代表では、FW関口と並んで一番小柄な長友。それでも、ザックジャパンの前で、子供たちの前で、壇上に立つ姿は大きく見えるに違いない。【由本裕貴】