<女子W杯:日本1-0ドイツ>◇準々決勝◇9日◇ドイツ・ウォルフスブルク

 「パウル2世」が、なでしこジャパンの勝利を予言し、“真の後継者”であることを証明した。サッカー女子W杯準々決勝で日本が、3連覇を狙うドイツを1-0で破ったが、その結果を地元ドイツの水族館「シー・ライフ」のタコが予言していた。昨年の南アフリカW杯でドイツ戦など計8試合の結果を全的中させて世界的に有名になったパウル君の“後継候補ダコ”だった。パウル2世は、真の後継者を決するために計8匹による予想合戦に参戦中。ドイツ国民を敵に回して唯一、「なでしこ勝利」を予想していた。

 ドイツの予言ダコの2代目が、なでしこの勝利を予想していた。W杯南アフリカ大会で予想した全8戦の結果を的中させたパウル君は、大会3カ月半後の昨年10月26日に死んだ。そのため、11月3日には、ドイツ西部オーバーハウゼンの水族館で「パウル2世」がお披露目された。このタコが、ドイツ国民を敵に回しながら、先代と同じように結果を的中させていた。

 「パウル2世」にとっては、大きな意味を持つ予想になった。実は今大会前、水族館の運営会社が、「ほかのタコにも天性の予言能力がある可能性があり、パウル2世だけがパウルの後継とはいえない。だとすれば、今回の女子W杯の予想で最高の成績を残したタコをパウルの後継とする」と見解を変えていた。

 そして、パウル2世を含めた計8匹のタコによる予想コンテストを実施。この試合前には、水槽内のパネルの穴の横に日本とドイツの国旗が描かれており、タコがどちらに入るかで能力を検定した。そのマダコのうち「なでしこ勝利」を予言したのはパウル2世だけで、そのほか7匹はドイツの勝ちにしていた。先代は、W杯準決勝ドイツ-スペイン戦でスペインの勝ちを予言して的中。試合後に怒ったドイツ国民からネット上で「サメの水槽に入れろ」「パエリアに混ぜてしまえ」と“処刑予告”もされたが、パウル2世もその覚悟も決めて?

 あえて日本の勝利にしていた。

 文字通り「真の後継者」であることを証明したかのような予言だった。もっとも、後継レースでは、まだ追い掛ける立場だ。ルールは、予想を1試合的中させると1ポイント、外すと0ポイントで、合計得点の多いマダコが最終的に「後継」の栄誉を手にする。パウル2世は、ドイツが1次リーグ初戦でカナダを下した試合を当てた後の3試合はドイツの敗戦を予測しており、現在は計2ポイントで、ランキングは2位。ここまですべてドイツ勝利としたベルリンのタコが3ポイントでトップを走っている。ドイツの敗戦で、残る「予言対象マッチ」は、W杯と同様に決勝戦になるとみられるが、最後にトップに並べるか注目される。