日本が初優勝した18日のサッカー女子W杯ドイツ大会決勝をフジテレビ系が中継した後半(午前5時~6時30分)の平均視聴率が、関東地区で21・8%を記録したことが19日、ビデオリサーチの調べで分かった。01年以降では同時間帯の試合の中継で歴代3位の記録だという。関西地区は19・4%、名古屋地区は21・6%だった。NHKBS1も衛星放送としては異例の10・7%をマークした。

 未明から早朝にかけてのなでしこジャパンの偉業に、日本中がお茶の間にくぎ付けとなった。関係者によると、午前5時台の21・8%という数字は、01年以降では、10年のサッカー男子W杯「日本対デンマーク」の40・9%、06年「日本対ブラジル」の37・2%に次ぐ3位の記録という。同時間帯の一般的な視聴率は1ケタ台前半だけに決勝の注目度の高さがうかがわれる。

 瞬間最高視聴率も関東地区で27・7%を記録した。午前6時24分に沢が勝利後のインタビューを受けた時で、関西地区も同時間帯に27・9%を記録。名古屋地区では同6時26分に佐々木則夫監督がインタビューされている時に30・0%をマークした。

 同時間帯のテレビを見ていた世帯の中で、フジテレビで試合を見ていた割合を示す占拠率も、55・6%と過半数を占めた。同試合の前半は午前3時35分から放送を開始し、関東地区で11・8%、関西地区で11・2%、名古屋地区でも12・2%と高い数字を記録した。

 フジテレビは「フジテレビが世界一という歴史的な瞬間を放送できたことを非常にうれしく思っています」とし「日本の女性は強いと実感した」とコメントした。同局は予選からの放送権を持っていたが、なでしこジャパンの活躍ぶりから歴史的瞬間を放送するため準決勝から生中継した。

 一方、NHKもBS1で歴史的な試合を生中継した。衛星放送ながら後半の午前5時以降枠では10・7%。同局は「現在の形の調査方法を行っている08年以降、NHKBS1で10%を超えたのは初めて」とした。

 同局は「素晴らしい試合とともに、地デジ完全移行化で、各家庭の受信機などハード面の整備が整ったことも要因だろう」とコメントした。