大黒柱本田不在で悩めるザックジャパンが、W杯アジア3次予選タジキスタン戦(10月11日、長居)に3-4-3の布陣で臨む可能性が出てきた。日本代表アルベルト・ザッケローニ監督(58)が29日、東京・文京区の日本協会で行われた代表発表会見で布陣変更を示唆した。右膝手術で離脱中のFW本田圭佑(25=CSKAモスクワ)不在の穴を埋めるため、親善試合ベトナム戦(同7日、ホームズ)で試し、かみ合えば本番で指揮官の「代名詞」3-4-3が披露される。

 悩める指揮官が「代名詞」の3-4-3でタジキスタン戦に臨む可能性が浮上した。ザッケローニ監督はこの日、本田不在の解決策について「1つは(布陣の)形を変える。1つは選手を変える。ベトナム戦で試したい。形を変える可能性はある」と断言した。

 本田の代役は9月のW杯予選2試合では定まらなかった。9月2日の北朝鮮戦で1・5列目を務めたMF柏木(浦和)は今回代表落ち。同6日のウズベキスタン戦では本職ではない長谷部を起用。後半から香川を据えたが消化不良に陥った。指揮官は「代わりに入った選手を評価している。北朝鮮戦は私が就任してから一番好機をつくれた」と説明したが、明確な代替策は見つかっていない。

 3-4-3の導入については「手元の選手の力を最大限に引き出せるようにしたい」と言葉を濁したが、ウズベキスタン戦2日前の9月4日に敵地で練習済み。その時には、6月のキリン杯2試合で試した際に不在だった香川、駒野を「3-4-3に順応させる準備」と周囲には説いていた。

 「我々のやるべきことをベトナム戦で試すことが次につながっていく。結果も大事だが内容を追求したい」と話したように、ベトナム戦は完全なテストの場。日本協会関係者も「ベトナム戦は布陣を変える可能性が十分ある」と言い切る。

 ザッケローニ監督は「当然、本田は重要な選手と認識している。(不在を)チーム力で対応していきたい」と不在の影響を認めながら、その先を見すえた。ただ、この「難題」をベトナム戦で解決できなければ、本番のタジキスタン戦に大きな陰を落とすことになる。【菅家大輔】