<U-17女子W杯:日本3-0ニュージーランド>◇26日(日本時間27日)◇1次リーグC組◇バクー

 15歳の女子高生ストライカーMF長谷川唯(日テレ・メニーナ)が、大舞台で日本を勝利に導いた。U-17(17歳以下)女子W杯に参加している「リトルなでしこ」は、1次リーグ第2戦でニュージーランドと対戦。後半から投入された長谷川が2得点と大活躍し、勝利した。これで1次リーグ2連勝となり、準々決勝進出に王手をかけた。30日に行われるメキシコ戦での勝利か引き分けで、C組1位通過が決定する。

 チームの窮地を救ったのが、長谷川だった。ニュージーランドの堅い守備を崩せぬまま前半を0-0で折り返すと、後半開始から投入された。右サイドに入り、攻撃のリズムを変えた。すると後半15分、左CKのこぼれ球をペナルティーエリア付近で拾うと、強烈な右足シュート。低い弾道を描いて、相手GKの手をかすめながらもゴール左下に先制点が決まった。

 さらに同33分には、左サイドからのパスを受けると、中央から右にそのままドリブルで突破。ゴール前約35メートルから、豪快なミドルシュートを放った。「2点目は、隅田選手とワンツーで抜けようとしたが、自分がフリーだと思った瞬間に前を向いてシュートを打ち、結果として決めることができた」と振り返った。

 モデルの長谷川唯と同姓同名だが、リトルなでしこの長谷川は、チーム内でも151センチのMF伊藤、籾木に次いで小さな154センチ、40キロ。本人はきゃしゃな体格を気にしており、サッカー選手らしい“ごつい体”を目指している。居残りでトレーニングを積み、さらにご飯の量を増やして肉体改造中。その努力が大舞台で実り、体格で上回るニュージーランドを相手にも互角に戦った。采配が当たった吉田監督も「後半、長谷川を投入してからリズムが変わり、うまく攻撃をすることができた。後半は1点入れば自分たちのリズムになると思っていた」と話した。

 目標の優勝に向けて、次のメキシコ戦の引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる。なでしこジャパンのロンドン五輪銀、ヤングなでしこのU-20女子W杯銅に続いて、リトルなでしこが頂点を目指す。

 ◆長谷川唯(はせがわ・ゆい)1997年(平9)1月29日生まれの高校1年生。兄の影響を受けてサッカーを始める。戸田南FCから戸木南ボンバーズを経て、日テレ・メニーナに入る。好きな選手はスペイン代表MFイニエスタ。154センチ、40キロ。