<親善試合:日本2-0ナイジェリア>◇22日◇長崎県立総合運動公園陸上競技場

 なでしこジャパン(FIFAランク3位)がナイジェリア(同32位)を下した。先発に抜てきされた最年少招集のDF三宅史織(17=JFAアカデミー福島)が鮮烈な完封デビュー。20年東京五輪を24歳で迎える新星が、身体能力で上回るナイジェリアを封じ、各世代の融合がテーマの代表に新たな息吹を吹き込んだ。日本は26日に千葉でナイジェリアと第2戦を行う。

 期待の17歳が鮮烈デビューを飾った。センターバックに起用されたDF三宅が、過去W杯6大会すべてに出場しているアフリカ最強のナイジェリアを完封。試合後、GK海堀から頭をなでられると、初々しく照れ笑いを浮かべた。

 「最初は緊張したが、積極的にいくよう周りから言われて緊張がほぐれた。身体能力の高い相手なので、いつもと体を当てる間合いを変え、失点しないように意識した。ラインコントロールができないとトップ(レベル)の選手にはまだ追いつけないが、今までよりは自信にはなった」

 相手先発の平均年齢は日本の26・3歳に対し、20・5歳の若手中心。DF北原とともに三宅がマークしたのは、182センチで19歳ながら11年W杯にも出場したL・サンデー。冷静な対応で大きなミスもなかった。FW大儀見の先制点も、三宅の縦パスが起点だった。

 7月からはINAC神戸の特別指定選手となり、JFAアカデミー福島がある静岡と神戸での二重生活が続く。「関西は大好きなお笑い番組も多いし、プロ意識の強い選手ばかりで刺激になる」。佐々木監督は「シビアなポジションでよく持ち味を出した。これから経験して幅を広げればもっといい選手になる」。MF澤も「ピンチも救ってくれたし、期待以上。自信を持ってやってくれた」と絶賛した。

 日本は11年W杯で初優勝し、昨年のロンドン五輪で銀メダル獲得。だが今年は7月の東アジア杯で3連覇を逃した。連覇が懸かる15年W杯、金メダルを目指す16年リオ五輪に向け、既存のメンバーと若手の融合が必要とされている中、この日は、三宅を筆頭にDF北原、高良、FW有町がA代表デビュー。若手が存在感を出したことは、7年後の東京五輪に向けても収穫となった。【福岡吉央】

 ◆三宅史織(みやけ・しおり)1995年(平7)10月13日、北海道生まれ。真栄サッカースポーツ少年団を経て、JFAアカデミー福島に入団。7月から特別指定選手としてINAC神戸でプレーする。U-13、14、16、17、19で世代別代表歴あり。家族は両親と兄2人。165センチ、49キロ。