日本サッカー協会は3日、7~9日の国内組による日本代表候補合宿(千葉県内)のメンバー23人を発表した。合宿には常連組は招集されず、23人全員がJ1所属で7人が初招集された。

 大宮DF今井智基(23)が、代表候補合宿にサプライズ選出された。各年代で日本代表の経験はなく、関係者から電話連絡を受けた時は「絶対にうそだと思ってた」と何度も確認したほどだ。50メートル走6秒0のスピードと豊富な運動量が持ち味の右サイドバックは「W杯選出の可能性は1%もあればいいほう」と謙遜しつつ「驚いたけど光栄。自分のプレーを思い切り出したい」と目を輝かせた。

 謙遜する理由はある。中大4年の時、白須監督から「J1でやれる実力はない」と言われ「向いているのは競輪選手だ。稼げるぞ」と違う道を進められた。器用なタイプではなく、唯一、声がかかったのはユース時代にすごした大宮だけだった。この日、白須監督から届いた祝福メールには「競輪選手にさせることは、あきらめていない」という趣旨のことが冗談っぽく書かれていたという。

 代表経験のある徳永や酒井高を指導したことがある大宮の大熊監督は「2人と比べても負けないフィジカルはある」と評価する。「チームメートやスタッフに恵まれたから選ばれただけ」と控えめな今井が、未知の舞台へ挑む。【高橋悟史】

 ◆今井智基(いまい・ともき)1990年(平2)11月29日生まれ。千葉県市川市出身。大宮ユースから09年に中大に進学。昨年、大宮に入団して右サイドバックのレギュラーを獲得し、リーグ戦23試合出場1得点。今季のリーグ戦は5試合出場1得点。178センチ、78キロ。血液型B。