日本協会が、アディダス・ジャパン社(アディダス社)とのオフィシャル・サプライヤー契約を更新することが決定的となった。日本協会幹部が23日、明かした。期間は15年4月1日から22年12月末までの7年9カ月で、総額250億円超の大型契約となる見込み。

 日本協会とアディダス社は15年3月末までの8年総額160億円の契約を結んでいるが、今回は100億円近い増額が見込まれる異例の契約更新となる。同幹部は「1年ごとの契約金にボーナスなどを加えると総額で250億円を超えるだろう」と明らかにした。

 4月末にアディダス社が持っていた日本協会との優先交渉権が切れたことで、ナイキ社、プーマ社などが新規契約に名乗りを上げ、激しいつばぜり合いが繰り広げられた。そのため、契約金が大幅に高騰。最終的には、前回をはるかに上回る金額となった。

 同幹部によると、7月上旬に日本協会の大仁会長とマーケティング担当者が1泊3日の「弾丸ツアー」で極秘渡欧。ドイツ国内でアディダス本社の幹部と交渉を行っていた。同中旬に入り、日本協会側が競合他社との交渉を断る方針を決定。アディダス社に交渉先が一本化されていた。

 大仁会長が今年4月から2期目に入り、「日本協会の財政面のさらなる安定化」を目標の1つに掲げていた。東京近郊に40億円前後の費用がかかるナショナルトレーニングセンターを建設する計画があるために、アディダス社のバックアップは欠かせない。

 今後は各代表の成績により加算されるボーナスや、ユニホームやジャージーなどの物品提供の詳細を詰める作業に入る。その交渉次第では、さらに契約金の総額が上がる可能性もある。アギレジャパンにとっても金銭面、物品面ともに大きなサポートになるはずだ。(金額は推定)

 ◆日本協会のオフィシャルサプライヤー

 78年4月から99年3月まではプーマ社、アシックス社、当時アディダスを扱っていたデサント社の3社で1年ごとの持ち回り。だが、日本法人を立ち上げたアディダス社と99年4月1日から8年間の長期契約を締結。さらに07年4月1日から15年3月末までの8年契約を更新していた。アディダス社との契約金も1度目の長期契約時は年間6億円強だった。