16年リオデジャネイロ五輪を目指すU-21(21歳以下)日本代表が、来年のアジア1次予選(3月23日開幕、開催国未定)に備えた強化試合を3試合、計画している。4日に東京・文京区のJFAハウスで行われたJリーグ強化担当者会議で報告され、各クラブに選手派遣協力が要請された。12月の東南アジア遠征でU-21タイ代表とバングラデシュA代表と対戦。さらに来年2月、敵地でU-21シンガポール代表と戦うことを最有力に調整している。

 リオ五輪アジア1次予選突破へ、手倉森ジャパンが“東南アジア3番勝負”で強化を図る。1次予選はアジアが東西4グループずつ分かれ、東アジアは4の国と地域で行われる。うち1会場に内定しているのがインドネシア。日本が同国でのグループに入った場合に備えた「暑熱対策」(霜田技術委員長)として12月に東南アジアへ遠征。そこでU-21タイ代表、バングラデシュA代表と対戦する。

 強化担当者会議の出席者によると、一時はインドネシアの国内クラブと練習試合を行う計画もあったが、あくまで“保険”。日本協会幹部が代表同士の日程を調整していた。U-21タイ代表は、9月の仁川アジア大会で4強入り(日本は8強)したU-23タイ代表に8人が飛び級で選ばれている難敵。バングラデシュA代表は最新FIFAランク176位(日本は52位)と強国ではないが、日本のA代表と93年を最後に試合しておらず不気味な存在だ。

 さらに、予選開幕1カ月前も赤道に向かって飛ぶことが判明した。相手は最終調整中だが、本番前の総仕上げとして2月中旬、敵地でU-21シンガポール代表と対戦する計画がある。先月A代表がブラジルと戦った地は、2月でも平均最高気温が31度を超える。酷暑で体を慣れさせる狙いだ。

 いずれの国も格下ではあるが、日本協会は対戦経験が必要と考えている。U-21代表はこれまで国際試合を10戦(練習試合含む)したが、うち7戦が中東に偏っている。東南アジアはネパールだけ。U-19代表が先月のベトナム戦で苦戦した例も念頭に、盤石の予選突破へ肌を合わせておく。

 12月の遠征は日程面でも追い込む。短期間でタイとバングラデシュを渡り歩く予定で、手倉森監督は「暑くグラウンドの状況も良くないところに、移動も加える。さらに練習で疲れさせた状態でゲームに出す」と明言。1次予選は中1日か2日で4試合の予定で「きつい状態、完全アウェーの中でも戦えるタフな選手を発掘したい」とサバイバルを予告した。

 U-21代表は12月11日に出国予定。同13日に行われる天皇杯決勝に進んだ2クラブからは招集しないが、それ以外から人数制限なしでベストメンバーを選ぶ。

 ◆リオ五輪アジア予選

 今回から中立地での短期集中開催(セントラル方式)で出場国を決める。第2回U-22アジア選手権が五輪予選を兼ね、1次予選の開催地や対戦国は12月上旬に決定。1次予選を突破した東西8チームずつ計16チームが16年1月の最終予選(U-22選手権本大会、中東開催予定)に進む。前回ロンドン大会のアジア枠は3・5。準決勝進出が五輪切符獲得の最低条件。