<国際親善試合:日本2-1オーストラリア>◇18日◇ヤンマー

 ハビエル・アギーレ監督(55)が柔軟采配で日本を2連勝に導き、アジア杯2連覇へと加速させた。勝利を求めた「11月シリーズ」を狙い通りに終え「勝つという目的を果たせた。12月29日から合宿を行い、アジア杯王者として王座を守るための仕事が始まる」と断言した。

 就任から選手に「自由」を与え、観察を続けた指揮官が動いた。劣勢を強いられた前半34分、香川をトップ下に上げ、長谷部と遠藤をボランチに並べた。後半からは遠藤に代えて今野を投入。「相手もある。我々も快適にプレーできていなかった」という中、采配で一気に流れを引き寄せた。

 日本人選手が苦手とされる状況に応じた柔軟なプレーを常に求めている。やみくもにパスをつなぐのではなく、選手は状況によりロングボールを入れたり、短いパスを入れたりリズムを変えた。その姿を見て「異なる状況に応じてプレーできる。つなぎもできるし、勝つべき時のプレーもできる」と評価した。

 メキシコでのサッカー殿堂式典に出席したため、代表合宿を一時離脱する異例の事態で迎えた2連戦。ホンジュラス戦に大勝すると、大阪入りした後は劣勢時の守備と攻撃を細かくチェックし、この日の勝利につなげた。「6試合の中でチームのプレーの形、激しさ、コンセプトを教えた。チームは計画通り進んでいる。アジア杯は勝つべき大会。誰がプレーしても、どんな形でプレーしてもそう思う」。次第にアギーレ色を浸透させ、真価が問われる1月の勝負に打って出る。【菅家大輔】