ドーハの悲劇をブリスベンで再現する!?
イラク代表のラディ・シュナイシェル監督は、後に「ドーハの悲劇」と呼ばれた93年11月のW杯アジア最終予選の日本-イラク戦に出場していた。会見で当時についての質問が出ると「覚えている。韓国や日本にW杯出場のチャンスがあった。いいゲームだった」と苦笑いを浮かべ振り返った。
会見が終わり、通路でスタッフを待つ間に「あの試合は背番号4番だったんだ。サイドバックやセンターバックをやっていた」と切り出すと「日本の選手もよく覚えている。ミウラ、カーリーヘアの10番、そう、ラモス。すごくテクニックがあった。あとは2点目を決めたストライカー(中山雅史氏)。力があったね」となつかしそうだった。日本に勝てば、1次リーグ突破に大きく前進する。「日本は強い。あの時みたいな試合になるかな?」と引き分けではなく、勝ちを意識し不敵に笑った。
◆ドーハの悲劇
日本は93年10月28日、カタール・ドーハで、94年W杯米国大会最終予選の最終戦・イラク戦に臨んだ。勝てば初のW杯出場が決まる一戦は、FWカズと中山が得点し、2-1でリード。相手にCKを与えた直後、ロスタイムに突入した。イラクはショートコーナーからのクロスにオムラムが頭を合わせた。ボールは放物線を描き、日本のゴールに吸い込まれ、2-2で引き分けた。結果、日本は韓国と2勝2分け1敗で並んだが、得失点差で3位となり、2位以上に与えられるW杯切符を逃した。<イラク代表アラカルト>
昨年のアジア大会でU-21日本代表に3-1で勝ったメンバーとほとんど変わっていない。若手とベテランが融合したチームで、侮れない。A・アリは「イラクのベール」と言われるように、21歳ながら185センチの身長とスピードが武器。アジア大会で日本は2点を決められている。残る1点は「イラクのメッシ」と称されるフマム。16歳で代表に選出されるなど、きれのあるドリブルで攻撃の中心となる。FWユーニスはアテネ五輪4位時のエース。31歳になり往年の全盛期には劣るが、1発を警戒したい。
★日本の対戦成績
4勝3敗2分け。
★アジア杯最高成績
優勝(07年)
★W杯出場
1回(86年)
★中心選手
MFフマム(アルアハリ=UAE)、A・アリ(チャイクル・リゼルポル=トルコ)、FWユーニス(無所属)
★チームの愛称
ライオン
★基本布陣
4-2-3-1