アジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメントは17日から開幕し、鹿島はホームでアデレード(オーストラリア)と対戦する。鹿島はアジアサッカー連盟(AFC)主催の国際大会に過去5度出場し、準々決勝で3度敗退と、4強入りへの戦いが「鬼門」となっている。今回もアジア制覇への大きなヤマ場となりそうで、MF小笠原、DF岩政は関門突破へ「失点を恐れない」など3つの鍵を挙げた。

 鬼門の準々決勝突破へ、選手たちは思い思いに戦略を温めていた。オリベイラ監督から映像を見せられながら2日間にわたり計2時間半の「講義」を受けた。それを頭に刻みつつ、独自の視点も忘れなかった。

 (1)失点は恐れない

 通常、アウェーゴール方式での戦いはホームでの失点は痛手だ。だがDF岩政は「0-0で終わるより2-1、3-2の方がいい。失点を恐れるよりリスクを冒して勝ちに行く」と言った。教訓もある。今年のナビスコ杯準々決勝清水戦でホーム第1戦は0-0。心理的に重圧のかかったアウェーの第2戦に敗れた。第1戦が重要な鍵を握る。

 (2)「オーストラリア」というネームブランドも頭から消す

 MF小笠原はドイツW杯で残り9分間で3得点を奪うオーストラリア代表の底力を見たが「リベンジは関係ない。先入観を持つより、実際に肌で感じることが大事」と柔軟だ。

 鹿島にとって準々決勝は鬼門だ。97-98年、99-00年、01-02年のアジアクラブ選手権で、リーグ戦方式ではあったが準々決勝で敗退。今回、オリベイラ監督はアデレードを「残った8チームの中で1番強い。攻守の切り替えが早いし、安定している」と評し、ベスト8で対戦する相手を最強の敵とした。

 (3)接戦も覚悟

 8強の壁を乗り越え、アジアへの頂点へ駆け上がるために、岩政は「勢い」を必要な要素に掲げた。「延長とかPK戦で勝ってもいい。苦戦しても、得てして最後はそういうチームが優勝する」。3つの鍵を胸に、鬼門を乗り越え、アジア王座を目指す。【広重竜太郎】