<アジアCL:G大阪3-0山東(中国)>◇10日◇1次リーグ◇F組◇万博

 2連覇を狙うG大阪が開幕戦で選手層の厚さを見せつけ、昨季中国リーグ王者の山東を3-0で粉砕した。快勝した7日のリーグ開幕千葉戦から先発4人を入れ替えるなど、大幅な布陣変更で臨んだが、途中出場のMF佐々木勇人(26)がダメ押し弾を決め、豊富な戦力を生かし切った。06年からACLは15戦連続不敗とし、史上初の国内リーグ&ACLのダブル制覇へ最高のスタートを切った。

 分厚い選手層を武器に、G大阪が連覇へ力強く発進した。2-0の後半34分、ダメ押し弾を突き刺したのは途中出場の佐々木だった。ゴール前のこぼれ球に右足を振り抜き、左隅に突き刺した。「得意のコースなんで。ちょっとアウト(右足外側)にかけました」。西野監督から「右サイドを切り裂いて勝負しろ」と耳打ちされてピッチに送り出された2分後のゴールだった。

 長丁場のシーズンを乗り切る「ターンオーバー」がはまった。リーグ開幕千葉戦から中2日で、先発が4人も入れ替わった。左ひざ靱帯(じんたい)損傷で離脱した右サイドバック(SB)加地の穴には、本来左SBの安田理を抜てきするなど、ポジションも大幅変更。西野監督は「これからを見据えた布陣ということ」と説明した。佐々木は千葉戦ではベンチを外れた選手。「すごい補強をしてるし、出たときにアピールしないと居場所がなくなる」と危機感を結果につなげた。

 ベンチスタートは日本代表DF高木、元韓国代表DFパク・ドンヒョク、FWチョ・ジェジン、FW播戸、MF明神という豪華メンバー。後半開始から明神、チョ・ジェジンが出て、白星につなげた。最終ラインも千葉戦でベンチスタートだったDF中沢が先発し、山口とのコンビで完封。ゲーム主将のDF山口は「いいスタートを切れた。これを続けていきたい」と満足そうだった。

 昨季は年間61試合を戦い、最後は心身ともにボロボロだった。ACL優勝の代償として、リーグは8位に沈んだ。史上初のダブル優勝へ、今季は巨大戦力で突き進む。ACLでは06年から数えて15戦不敗。底力を見せつけた前年アジア王者に死角は見あたらない。【北村泰彦】