J2磐田のDF宮崎智彦(28)が今季もボランチと左サイドバック(SB)の「一人二役」を担う。チームは24日、磐田市内で練習を行い、宮崎は練習終盤でも足を止めず、中盤から縦への正確なパスを供給し続けた。「縦へのパスは特に意識している部分。今は体も動けていて周囲を見る余裕も出てきた」と手応えを口にした。

 今季のチームは始動から「90分走り抜く体力づくり」を掲げ、ハードな練習が続く。宮崎はオフの期間中も2日に1度は5キロ走、筋トレで体を動かし、例年以上に準備を進めてきた。鹿児島キャンプのJ1清水戦は左SBでフル出場。J1浦和戦は、途中で左SBからボランチに入りチームにリズムを与えた。宮崎が一人二役をこなすことで、選手交代なしで流れを変えるオプションも増えた。J1相手に縦パスで好機をつくり「去年よりは前に出せているかな。これを続けていきたい」と話す。

 FWは一新されたが、MF太田吉彰、FWアダイウトンら裏に抜ける選手も増え「彼らが走ることで、空いたスペースを他の選手が使うことができる。チームとしてもボランチとしても助かる」と話す。名波浩監督(42)の体制下で初めてボランチを経験し、まだ日は浅いが「周囲に選手が多い分、仲間を助ける意識が強くなった。純粋にサッカーが楽しい」と頼もしかった。【岩田千代巳】