山形MF宮阪政樹(25)が、初のみちのくダービーでJ1デビューを飾る。千葉・市原キャンプ6日目となった27日の紅白戦では、主力組でMFアルセウとダブルボランチを形成。先発が確実な今日28日のJ2大宮との練習試合(非公開)で、開幕スタメンに当確ランプをともす。

 宮阪の右足から放たれたロングキックが、サイドを切り裂いた。中盤でボールを持つと、攻撃参加したDF山田、MFボムヨンの両ウイングバックに正確なパスを通してチャンスを演出した。昨季チームで唯一J2全42試合に出場した4年目のボランチは「大宮は去年J1で戦ったメンバーが多くいる。連係を確認しながら、縦パスを意識してやりたい」と力を込めた。

 今キャンプ最後のJクラブとの練習試合は「仮想仙台」の一戦となる。紅白戦の控え組のシステムは4-4-2。石崎監督は「大宮を想定した構成」と話したが、開幕戦で激突するライバルも同じ形で臨んでくる可能性が高い。宮阪は「相手が4バックだと、両サイドの裏へのロングボールが有効になる」とニヤリ。自らの武器でサイドを制圧し、ゴールに導くつもりだ。

 必殺の一撃を繰り出す準備も整った。全体メニュー終了後にはGK山岸と居残りでFK練習を行い、何度もネットを揺らした。今キャンプの実戦では直接ゴールは生まれていないが「開幕に向けて、やっといい感触をつかめてきた」と手応えは上々だ。

 屈強なフィジカルが武器の助っ人にポジションを譲るつもりはない。今キャンプの練習試合はアルセウを軸に組み合わせを試しているが、指揮官は「去年からのやり方を理解しているバズ(宮阪)と亮輔(松岡)の組み合わせが一番いいじゃろ」と信頼を寄せている。宮阪も「開幕スタメンはもちろん狙っている。今年も全試合出るつもりですから」とキッパリ。みちのくダービーの開幕スタメンを勝ち取り、念願のJ1デビューを勝利で飾ることしか考えていない。【鹿野雄太】