やっぱりイナ! ボランチやっても大丈夫! J2札幌が1日、熊本県大津町運動公園球技場で金沢と練習試合(45分ハーフ2試合)を行い、初めてボランチで先発したMF稲本潤一(35)が、先制点の起点になるなどアピールした。開幕前最後の実戦となったが、仕上がりは上々。残り1週間で連係に磨きをかけ、3月8日の開幕栃木戦先発に照準を定める。

 日本代表でも慣れ親しんだ中盤の底で、天性の攻撃センスを披露した。前半2分、稲本は右サイドを駆け上がるMF荒野へ縦パスを通すと、荒野、内村とつながり、最後は都倉がねじ込んだ。「得点に絡むプレーをやっていきたいと考えていた。ボランチで(試合に)出るなら攻守で貢献できるようなプレーを心がけたい」。後半37分まで82分間、的確なロングパス、機を見たパスカットなど、随所で非凡なプレーを連発した。

 金沢戦までに出場した練習試合3戦は、いずれも3バック中央とあって、守備での貢献度が目立った。今回は初めて中盤での出場。1列前に出ることで、日韓W杯で2得点したときのような、前への推進力が明確に出てきた。バルバリッチ監督も「非常にいいプレー。私たちにとってポジティブなものだった。経験豊富でプレーの質も高く、満足している」と評価した。

 この日は上里とダブルボランチを組んだが「連係は問題ない。お互いに声を掛け合いながらやることができた」と、違和感はない。小野の負傷離脱は痛いが、友の分まで、けん引役となり、開幕戦勝利をたぐり寄せる。【永野高輔】