Jの主役がピッチに戻って来る。左足首の手術を受け出遅れていた横浜MF中村俊輔主将(36)が今日22日のナビスコ杯名古屋戦(パロ瑞穂)で復帰する。21日、横浜市内での練習後、遠征メンバーに入り、名古屋に向かった。今季初のベンチ入りとなる。モンバエルツ監督は「ゲームのリズムを取り戻してもらいたい」といきなりの起用を示唆。同じくけがからの復帰戦となるFWラフィーニャとともに途中出場が濃厚だ。

 チームスーツで移動バスに向かう中村はいつも通りの表情だったが、多くは語らなかった。「普通にできると思う」。こう言い残し、足早に乗り込んだ。公式戦は昨年12月6日の東京とのリーグ最終戦(味スタ)以来となる。2月16日に三角骨と関節内遊離体(通称ネズミ)の摘出手術を受けた。「全治2~3カ月」の診断だった。手術から約2カ月。ほぼ想定通りの復帰となるが、実戦をまったくこなしていない。「痛みはある。でもやれない痛みじゃないし、付き合いながらやっていく」と、わずかな不安も抱えている。

 この日60歳の誕生日を迎えたフランス人指揮官からは「一番うれしいプレゼントは試合に勝つことだ」と、勝利をリクエストされた。ミッションはまだある。期待のU-21(21歳以下)ブラジル代表の10番を背負うFWアデミウソンは、加入から1カ月半がたつがまだ無得点。中村とのプレーを熱望していた逸材に得点を取らせる仕事もある。プロ19年目。背番号10が、約1カ月半遅れで自身の開幕を迎える。【八反誠】

 ◆中村のけがの経緯 昨季も痛みが出た左足首の不安を抱えたまま始動。2月の宮崎での2次キャンプ中に強い痛みを訴えた。満足に走ることができず、完全別メニュー調整が続き、同16日に川崎市内の病院で手術を受けた。3月上旬にボールを使ったリハビリのメニューを開始。4月10日にチーム練習に部分合流。同14日からフルメニューをこなし、FKの居残り練習も行っている。