J2磐田のMF小林祐希(22)が恩師の前で成長した姿を見せる。26日のアウェー千葉戦に向け、22日は磐田市内で調整。13年途中から磐田を指揮した関塚隆監督率いる相手との首位攻防戦だ。敵将となった同監督の助言を胸に飛躍した小林は、攻守で献身的なプレーで、チームに勝ち点3をもたらす意気込みだ。

 忘れられない“恩師”の言葉がある。出場機会に恵まれなかった小林は、13年当時の指揮官、関塚監督からこう言われた。「試合に出たかったら周囲を認めさせてみろ。認めさせたら使ってやる」。その猛ゲキで、小林のプレーは「自分が自分が」ではなく「チームのために」と変化した。

 自身のプレーができない状況でも、プレスバックやカバーなど「今、自分にできること」を実行に移して仲間をサポート。関塚体制では故障もあって試合出場はならなかったが、14年から主力となり、今季は「不動のトップ下」としてチームの柱を担う。

 小林 そこで結構変わった部分もある。関さんには感謝してます。今、使ってもらえているし恥ずかしいプレーはできない。それを力にして試合に臨みたい。

 この日、居残りでクロスの入り方を反復練習。たたきつけるヘディングを意識し相手DFをかわす動きを模索した。「うまくなれるポイントだし、FWらしい点を決めたい。自分は欲張り」。今季は得意の左足で3得点。次節は頭での得点も狙っている。

 前節は先発4人が入れ替わったが、東京Vに快勝し「誰が出てもと思えるゲームができたのは一番の収穫。さらにチームがまとまった」と手応え。若きトップ下が恩師に成長した姿をみせる。【岩田千代巳】