負傷欠場の兄を弟がカバーする。J2札幌MF前寛之(19)が11日、札幌・宮の沢での戦術練習で右MFに入った。初先発初得点を挙げた1日のC大阪戦から2試合は、連続で左MFとしてプレーも、14日のアウェー岐阜戦は、初めて右MFでの先発が濃厚。「右クロスは得意だし、切り込んでの左足シュートも狙っていきたい」と、今度は右からのチャンスメークを頭に描いた。

 前節千葉戦で初めて同時先発を果たした兄貴之(21)が、この試合で左手小指を骨折。約3週間の別メニュー調整が必要で、連続での兄弟出場はお預けとなってしまった。「一緒に出られないのは悲しいが、しっかりアピールしないと」。兄負傷で空いた右MF転向も、キャンプでは両サイドでテストされており、順応性の高さを生かしていく。

 この日の練習後は、兄弟そろって札幌市しらかば台小での学校訪問イベントに参加。手の負傷のため、イベント参加は可能も、試合に出られない兄のもどかしさを十分、理解している。「勝ち点3を取って帰って来たい」。デビュー3戦はドロー。兄の分まで戦い抜き、出場4戦目での初勝利につなげる。【永野高輔】