大ブーイングが万博を包んだ。G大阪に奇跡は起こらなかった。勝利目前の後半43分、ゴール前の混戦から仙台に失点し、まさかのドロー。わずかに残された逆転優勝へは、勝利が絶対条件だった。浦和が引き分けたため結局は優勝を逃したが、MF遠藤保仁(35)は「昨年のチャンピオンは勝ちを求められる。ブーイングは、当然の行為」と肩を落とした。

 前半32分、FKを獲得。キッカーの遠藤が上げたボールはピンポイントで今野の頭へ。これをしっかり決めて先制。しかし、後半は相手に攻め込まれ、今野は「いつかやられると思った」。遠藤は「決していい試合でなかった。冷静に戦えていれば。自分たちが力を発揮できなかった」と主将としての責任を感じていた。

 昨年3冠王者として、このままでは終われない。遠藤は「第1S残り2つ勝って、最後いい順位で終われれば」と先を見つめる。未消化試合が他の上位勢より1つ多い。現在4位だが2、3位浮上の可能性は十分ある。クラブは今月中にも長谷川監督へ来季の続投要請をする予定。中長期的な強化を怠らない。長谷川監督も「内容、勝ち点、ゴール全てにこだわっていきたい」と言う。年間王者という目標へ、落ち込む時間はない。【小杉舞】