G大阪長谷川健太監督(49)が16日、懲罰交代に反抗的だったFW宇佐美貴史(23)を“お説教”した。逆転負けした前日15日の名古屋戦で、守備不足のエースを今季最短69分で下げた。指揮官と目も合わせない態度をみせたが、一夜明けてFWパトリックとともに前線での守備の重要性を説いた。2トップは猛省。中3日の19日横浜戦(万博)に向け、素早く立て直しを図った。

 台風が近づく大阪・吹田市のプールでチームは一夜明けの回復トレーニングを行った。その直前、長谷川監督は宇佐美とパトリックを呼び、「前線からの守備」について説いた。攻守の意識を統一、互いの信頼を回復するため手を打った。

 発端は前日の名古屋戦。宇佐美の守備が足りず、再三指示を出していた長谷川監督は、後半24分で交代させた。宇佐美は悔しさからか監督と握手もせずにベンチへ戻り、両者に不穏な空気が漂った。たまらず、指揮官がエースのユニホームの袖を指でちょんちょんと引っ張り、あいさつを交わす場面もあった。試合後、長谷川監督は、相手FWの名前を持ちだし「永井、川又はあれだけ走っている。パトと宇佐美も苦しいときにチームを助ける動きが必要」と指摘していた。

 今季計20得点挙げている2人はあくまでも攻撃の中心。それでも一夜明け、冷静に「健太の教え」に耳を傾けた。パトリックは「ただ走り抜く守備をするだけじゃなく、早めのポジショニングを取ることで体力も有効に使いたい。チームに対してサポートして、横浜戦では、違うパフォーマンスを見せる」と反省した。

 宇佐美は日本代表では左サイドに入り、ハリルホジッチ監督から守備も求められている。長谷川監督の要求は、高いレベルを目指してほしいと願う親心でもあった。「2人とも理解してくれた。次からはしっかりやってくれる」。年間順位で首位浦和と勝ち点10差。2トップに守備意識を注入し、巻き返しを図った。【小杉舞】