ブラインドサッカー日本代表に天敵が出現した!! ブラインドサッカー日本代表が16日、東京・八王子市の富士森公園で9月の「アジア選手権」に向けた強化合宿を行い、セミを警戒した。
気温31度。くぬぎや杉などの樹木に囲まれるフットサルコートには、セミの鳴き声が響き渡った。午前練習後、田中章仁(37=たまハッサーズ)は「ボールの鈴の音とセミの泣き声が同じ(音の)高さで、ボール位置が分かりにくい。車の音とかは気にならないけど、セミの音は気になる。参りました」と苦笑いした。
視覚障害者らがプレーするブラインドサッカーは、「音」が最も重要となる。GK以外の選手4人がアイマスクを着用し、鈴入りのボール音などでボール位置を判断する。
9月2日からは東京・渋谷の国立代々木競技場で、リオデジャネイロパラリンピックの出場権が懸かった「アジア選手権」が開催される。中国(世界ランキング5位)やイラン(同12位)など計6カ国が参加し、上位2カ国がリオ大会の出場権を獲得する。大会は2週間後に迫り、競技場近くの代々木公園にも多くの樹木がある。天候などによって、この日同様、大量のセミが鳴く可能性は十分ある。田中は「中国とイランも強敵だが、セミとも戦わないといけない。セミ対策も考える必要がある」と語った。
田中は静岡市出身。3歳で網膜芽細胞腫のため右目を摘出し、左目の視力も低下した。05年に友人に誘われ、ブラインドサッカーと出会った。当時からサッカー好きで、地元の清水エスパルスとジュビロ磐田を応援していた。
昨日、今季マインツからレスターへ移籍した元清水エスパルスに在籍していた岡崎慎司(29)がプレミアリーグ初ゴールを決めた。田中は「2戦目で決めるなんてさすが。岡崎さんは本能でプレーしてるような選手で大好きです。(プレミアリーグに移籍して)確実にステップアップもしていて、その強い気持ちだけでも見習いたいです」と祝福した。