豪雨による試合中止で、前半7分に先制したMIOびわこ滋賀のジャイアントキリングはならなかった。

 中尾幸太郎監督(46)は「相手はJFLをなめてくるから、先制パンチが有効だと思った」。監督の思惑通り、カウンターからMF国領がMF村上へロングクロス。村上が右足で押し込み、2人で横浜のゴールを破ってみせた。

 後半9分にPKを献上し、同29分には豪雨によるピッチ状況が悪化したとの理由で、同点のままで試合中止。中尾監督は「JFLでは豪雨でピッチが悪くてもやっている。ジャイアントキリングがあるとしたらこの日勝負だった。マッチコミッショナーの判断が早かったと思う」と悔しさをにじませた。

 中止後の試合は(1)90分の再試合(2)中断した後半29分からの再開のいずれかで、7日の日本サッカー協会の裁定委員会で決定する見込み。

 チームでプロ契約は2人だけで、大半が仕事を持ちながらサッカーを続けている。学童保育の仕事で生計を立てている先制点を決めた村上は「日程が出て、仕事を休まなくてはいけなかったら生活が苦しくなる仲間もいる」と本音を漏らし、「自分たちの戦いを残すためにも、できれば後半29分から再開したい」と話していた。