清水の田坂和昭監督(44)が、手の内を熟知する敵将との激突に向け気持ちを引き締めた。3日の松本戦に備え、9月30日には静岡市内での完全非公開練習を指導。松本の反町康治監督(51)とは現役時代に平塚(現湘南)で4年間プレーした間柄。指導者に転向後も「勉強させてもらうことが多かった。いろんな話をしてもらった」と、尊敬するうちの1人に挙げた。

 交流の深い関係で、全てを知り尽くしてるからこそ、勝てる自信がある。大分を率いた12、14年は監督として対戦し、4戦負けなし(1勝3分け)。田坂監督は「大体(手の内は)知っている」と強調。当時とメンバーは異なるものの「ベースは今も変わらない」と付け加えた。松本が昇格を決めた昨季の全試合もビデオで見ており、セットプレーのパターンや守備の決まり事など、事細かく分析しているという。勝負になれば遠慮するつもりはない。

 就任後、7戦勝ちなしでチームも年間順位で最下位に転落した。勝ち点3差で追う松本との直接対決は絶対に負けられない。メンバー編成については気持ちを前面に出す選手を起用する考え。同監督は「言い方は悪いが、びびっている選手はうまくても使わない」と語気を強めた。残留をかけた戦いは残り5試合。得意の「反町攻略」へ、清水の熱血漢が手腕を発揮する。【神谷亮磨】