J1残留を決めた湘南の曹貴裁監督(46)が今季限りで勇退する可能性が出てきた。既に複数クラブが、選手育成と組織的サッカーを貫徹して湘南をJ1で戦えるチームに育てた手腕を評価し、触手を伸ばしている。湘南幹部は「続投の依頼はするが、監督の意思を尊重したい」と話した。

 曹監督は12年に当時J2だった湘南の監督に就任。1年で昇格を果たし、13年は16位で降格したが、クラブはJ1で通用する基盤をつくるために続投を決定。前線からの厳しいプレスでボールを奪い、一気に攻撃に転じる「湘南スタイル」を貫き14年は勝ち点101でJ2で圧勝。今季は3試合を残して残留を決めた。

 また、このオフには浦和、神戸などが湘南の日本代表DF遠藤航(22)の獲得に動くことも分かった。遠藤は昨季終了後、湘南と複数年契約を結んだが、移籍金は当初の推定1億円から半分以下に引き下げられたという。湘南幹部は「これから話し合う」としているが、日本代表に定着しつつある若きDFに東京も興味を示しており、オフの争奪戦は激しくなる見通しだ。