神戸が来季の新戦力として、清水のFW大前元紀(25)をリストアップしていることが18日、分かった。最終節終了後にも正式オファーを出す可能性が高い。Jリーグ関係者は「(神戸は)大前を調査している。即戦力として、獲得を狙っている」と明言。清水のJ2降格が決まったことで、今後は他クラブも獲得に本腰を入れることは確実。「大前争奪戦」の1番手に、神戸が名乗りを上げた。

 今季の大前はリーグ全31試合に出場し、得点ランク6位タイの11得点。年間最下位に低迷するチームで、群を抜く決定力を誇る。第1ステージ(S)と第2Sを含めた清水の全33得点のうち、実に3分の1が大前の得点だ。まだ25歳。伸びしろも十分にあり、日本人エースとしての期待が膨らむ。

 厳格なネルシーニョ監督が率いる神戸は、リーグ5連敗中で年間15位に苦戦。だがナビスコ杯では4強進出を果たしており、クラブ史上初のタイトル獲得へ、大型補強に乗り出す方針だ。昨オフには得点王で川崎FのFW大久保嘉人(33)にオファーを出した経緯がある。今オフは大前とともに、既に日本代表DF遠藤航(22)もリストアップ。攻守の柱になる若き2人の獲得に全力を注ぐ考えだ。

 大前は来季も清水との契約を残しており、移籍実現には違約金が発生する。正式オファーを出し次第、金銭面を含めた交渉に入るものとみられる。来季の優勝争いに参戦するため、神戸が若き点取り屋の獲得を目指す。

 ◆大前元紀(おおまえ・げんき) 1989年(平元)12月10日、横浜市生まれ。流通経大柏高3年時に全国高校選手権を制覇し、得点王。08年に清水入り。12年12月にドイツ1部デュッセルドルフに完全移籍。チームが2部降格で、翌13年8月に清水に復帰。U-19(19歳以下)日本代表。清水での背番号は10。166センチ、68キロ。