J2札幌MF稲本潤一(36)が、若手のより激しい突き上げを求めた。新加入の今季は主力として31試合に出場。札幌・宮の沢のクラブ事務所で28日、1回目の契約更改交渉に臨み「僕たちが試合に出られるということが不自然。より高いレベルで挑んでほしい」とカツを入れた。

 今季は自身最長の開幕20戦連続先発、1シーズン30試合超えもプロ19年目で初となった。36歳にして一線で戦えることを十分アピール。自身への手応えをつかむと同時に、チームとしての弱さにも気がついた。来季の課題として「伸二だから竜二さんだから負けて当たり前でスタートしている選手が多かった。そういうのをなくす作業が必要。しっかりとした競争のスタートラインに立ってほしい」と厳しい口調で指摘した。

 左ふくらはぎ痛などで9月から約1カ月離脱も、復帰後は再び主力に戻った。自らを駆逐できる選手が出てこなかったことに、物足りなさを感じていた。「僕らがケガしていなかったら、ずっと使われ続けていたというような環境。もっと技術、気持ちで超えていって欲しい」。厳しい言葉は愛情の裏返し。後輩に成長を求め、それを自身への刺激にして、来季37歳の飛躍につなげる。【永野高輔】