サッカーW杯アジア予選で「神セーブ」を連発し、日本代表を苦しめたシンガポール代表GKイズワン・マフムド(25)が、来季J2の松本の練習に参加することが11月30日、分かった。松本によると、明日2日から5日までチームの練習に合流するという。日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(63)が称賛したように実力はすでに折り紙付きだが、生でプレーを確認した上で獲得するか見極めるようだ。

 ハリルホジッチ監督も舌を巻いた守護神が、日本にやってくる。練習参加という形式だが、実力、話題性ともに抜群。契約となる可能性が高いとみられる。

 6月のW杯アジア2次予選で日本からシュート23本のシュートを浴びながら、抜群の反射神経でゴールを割らせなかった。0-0という結果で、ハリルホジッチ監督を「19回の大きなチャンスをつくって点が入らなかったのはあまり見たことがない」と嘆かせた。11月の予選でも日本を苦しめた。3点を失ったものの被シュート27本の中、好セーブを連発。ハリルホジッチ監督から「ホームとアウェーで何度、彼に止められたか」と絶賛されていた。試合後、ハリルホジッチ監督がイズワンの元に向かい、頭をなでたほどだった。

 今季J1を戦った松本は、国際協力プログラムの一環として、スポンサー企業「EPSON」の協力も得てシンガポール協会と人材交流を行っていた。6月には松本の下部組織が、同協会の推薦する14歳以下の選手を練習に迎え入れている。今回の練習参加の背景には、そんな経緯もある。

 移籍に至れば、シンガポール人では初のJリーガーの誕生だ。イズワン自身も6月の日本戦の後に「日本からオファーがあれば検討したい」と前向きだった。直後に地元メディアで松本のトライアルに参加するとも報じられたが、実現しなかった。最近もスペイン1部のRソシエダードや、タイの強豪チョンブリFCが獲得を狙っていると話題になるなど、シンガポールでは去就が注目されていた。

 ◆イズワン・マフムド 1990年7月14日、シンガポール生まれ。シンガポール「Sリーグ」のヤング・ライオンズを経てマレーシア・スーパーリーグに参加するシンガポール・ライオンズ・トゥエルブ加入。代表デビューは11年7月の台湾戦で、12年には東南アジア選手権優勝。国際Aマッチ32試合出場。179センチ、86キロ。