現役引退を表明していたJ2千葉の元日本代表FW鈴木隆行(39)が7日、千葉市内のクラブハウスで記者会見に臨んだ。

 鈴木は冒頭のあいさつで「私、鈴木隆行は今シーズンをもちまして引退することを決断いたしました。21年間という長い間プレーしてきましたが本当に沢山の人たちに支えていただき、プレーすることができました。本当にありがとうございました」と感謝の意を述べた。

 そして引退の経緯について「今までどんな状況でも辞めたくないなと思っていたけど、10月にふと辞めようと決断しました。次に進みたいという気持ちが強くなって、プレーしたい気持ちを超えたのだと思う」と率直な気持ちを話した。

 苦しみと戦った21年間だった。95年に茨城・日立工高から鹿島に入団。02年のW杯日韓大会に出場し、1次リーグ初戦のベルギー戦では、右足のつま先で貴重な同点ゴールを決めた。その後はゲンク(ベルギー)やレッドスター(当時セルビア・モンテネグロ)などに在籍し、08年からポートランド・ティンバーズ(米国)でプレーし、10年末に退団。引退状態だったが東日本大震災を期に11年6月、J2水戸と無報酬契約を結びJリーグへ復帰。今季は千葉に加入も2試合無得点だった。

 鈴木は現役生活を「本当に苦しかった。もちろん試合に出てないのもあるし、試合に出たとしてもプレッシャーがあってその中を戦わないといけない。もちろん結果も求められて期待に応えないという苦しさもあるし、代表でプレーしてたのにすぐ次の年、試合に出られなかった。でも自分の中ではそういう苦しさがすごくうれしかったというか、乗り越えて自分を変えていきたいと思っていたので、とても良い人生だった」と振り返った。

 今後については「プロのサッカーチームの監督を目指してやっていきたい。国内だけでなく海外にもチャンスがあればどんどん出て行く情熱もありますし、常にチャレンジしていきたい」と決意を表明。

 報道陣に将来は自身のような泥くさいストライカーを育てたいかと問われると「自分のようなプレーヤーみたいに育てたいとは思わない、きついんで。人生が(笑い)。むしろそれプラス華麗にプレーできるプレーヤーがいいんじゃないですか」と話した。