川崎Fが、J2千葉から元日本代表FW森本貴幸(27)を獲得することが濃厚になった。既に正式オファーを出しており、本人も前向きに検討していることが22日、分かった。中学3年でJ1デビューした「怪物」にとって、フロンターレは出身地・川崎のクラブ。エースFW大久保嘉人のいる前線に加われば、悲願のタイトル獲得へ大きな戦力アップとなりそうだ。

 悲願のJ1制覇を狙う川崎Fが、森本に正式オファーを出した。今季6得点で日本代表候補に名乗りを上げたFW杉本はC大阪への復帰が濃厚で、FW小林にはG大阪が触手を伸ばす。FW船山も移籍の可能性が高まっている。来季に向け、得点力あるFWの補強が急務だった。そこで経験と実績に優れ、27歳と年齢的にも脂が乗る「怪物」に白羽の矢が立った。複数の関係者によると、森本も新天地での活動に前向きで、獲得の可能性が高いという。

 04年3月に、当時15歳10カ月6日の史上最年少でJデビュー。プロ12年目となった今季J2千葉では、けがもあって27試合の出場で5得点にとどまった。それでも裏へ抜けるプレー、相手DFとの駆け引きのうまさは健在。川崎Fの中盤には中村、大島らリーグ屈指のパサーがそろっており、前線選手にとって好機が増えるのは確実だ。大久保が川崎Fに加入して3年連続で得点王に輝いたように、森本も再ブレークする可能性は十二分にある。

 チームは今季J1でリーグ3位の通算62得点。優勝した広島の通算72得点と比べれば、大久保がいたにもかかわらず物足りない。そんな事情もあって、森本にかかる期待は大きい。加えて川崎育ちとあって、地元クラブでのプレーは間違いなく追い風となりそうだ。

 また、川崎Fは柏を退団するMF狩野健太(29)の獲得にも動いていることも判明。ボール技術に優れ、ゲームメークにたけた攻撃選手で中盤の底上げを目指す。前線、中盤の層が厚くなることで、悲願のタイトルへ大きく前進しそうだ。

 ◆森本貴幸(もりもと・たかゆき)1988年(昭63)5月7日、横浜市生まれ。川崎市立向丘小4年から東京Vの下部組織に所属し、中学3年生だった04年3月にJデビュー。06年に期限付きでセリエAのカターニアに移籍し、翌年に完全移籍。12-13年途中からアルナスル(UAE)にレンタル移籍し、期間満了。13年8月にJ2千葉に完全移籍。日本代表は10試合3得点。180センチ、77キロ。