今冬に欧州移籍の可能性があった日本代表FW宇佐美貴史(23)が、G大阪に残留する方向であることが2日、分かった。ドイツ1部フランクフルトやシュツットガルトなどが獲得に興味を示していたが、本人が希望するクラブから現時点でオファーが届かず、今夏まで移籍を待つ可能性が高くなった。天皇杯2連覇に導いたエースは、16年シーズン前半もG大阪で大車輪の活躍が求められる。

 宇佐美がG大阪に残留する方向であることが分かった。ドイツ、フランス、スペインなど各国クラブで補強リストに入っていた。だが、現時点で本人が希望するクラブからオファーは届いていないという。欧州各国の移籍期間が終了するのは今月末で、時間は限られてきた。

 クラブ関係者は「彼が移籍したいと思うクラブからは話が来ていない。この冬は残留して(今年の)夏に挑戦する方向のようだ」と説明した。

 G大阪ユース史上最高傑作と呼ばれたFWは、11年途中でドイツの強豪Bミュンヘンへ移籍。1年でホッフェンハイムへ渡ったが、出場機会に恵まれず13年夏に古巣復帰。今回は2度目の欧州挑戦で、失敗は許されない。昨年末に第1子も誕生したばかり。欧州のシーズン中に移籍するよりも、より理想とするオファーを待ち、欧州の開幕前となる今夏に移籍する方が得策かもしれない。

 契約が来年まで残っている宇佐美は、クラブから今季中に残留要請を受けていた。その際は「僕の気持ちも言わせてもらったし(クラブからも)ありがたい気持ちを伝えてもらいました」と話していた。

 天皇杯決勝は無得点で途中交代に終わった。準々決勝、準決勝は各試合で2発を記録していた。23歳は「うれしさというよりかはホッとしている。あと1歩のところで(王座に)届かないシーズンだっただけに、チームとして大きくならないといけない」と気を引き締めた。移籍に関しては「ノーコメントで…。すみません」と、話さなかった。