男気(おとこぎ)復帰だ!! 今季からJ2の清水は8日、静岡市内で新体制発表記者会見を開き、川崎Fから完全移籍で加入したGK西部洋平(35)が、小林伸二新監督(55)らスタッフと他の新加入選手と出席。川崎Fとの契約を残しながらも6シーズンぶりの古巣復帰を決めたことを明かしたベテラン守護神は「恩返しをしたい」と、1年でのJ1復帰に貢献するため、ゴールマウス死守に全力を注ぐ構えを示した。

 登壇した西部の表情は、やる気に満ちあふれていた。10年以来、6シーズンぶりに古巣復帰を果たし「勇気のいる決断だったけれど、清水の力になりたいと思った」と、素直な気持ちを明かした。

 移籍を決めた理由は“清水愛”だった。昨季、クラブは史上初のJ2降格が決定。西部は毎試合、清水の結果を気にしていたといい、降格決定時は「ショックで悔しかった」と振り返る。自ら過去最長となる7年間を過ごしたクラブに対し「育ててもらった」と、感謝の思いが強い。

 実は川崎Fとの契約が残っていたが、清水から獲得オファーを受け「このタイミングしかないと思った」と移籍を決断した。J1からJ2にカテゴリーを下げてでも、古巣に復帰したかったという。35歳のベテランGKはチーム最年長。それでも、今季の目標は「フルタイム出場。1試合平均1失点以下」と、力強く宣言した。

 背番号はかつての21番から1番に変更した。「自分の決断が間違っていなかったと言えるようにしたい」と西部。男気復帰した守護神が、J1復帰への道しるべを示すつもりだ。【神谷亮磨】