横浜のMF斎藤学(25)が、古武術効果の鋭い反応で今季初勝利に導いた。1-1の後半44分のCK。ゴール前中央の混戦で、自身のヘディングシュートのこぼれ球を拾って右足を振り抜き、今季初ゴールを決めた。「自分が打って跳ね返ってくることはなかなかないことなので、点を取れるタイミングだった」。決勝点を笑顔で振り返った。

 14年のW杯ブラジル大会以降は日本代表を離れていたが、上旬の候補合宿で復帰。好調の要因のひとつに古武術を取り入れたトレーニングがある。練習後にピッチに寝そべり、腰や足など全身をくねくねと揺らす動きをする。体の力を抜いて血液の循環を促し、筋肉を緩めるのだという。「関節ががちがち」になってプレーに支障を来すほどだった左足首はテープを巻くことなくプレーでき「プレーの幅が広がる」。後半には30メートル超を独走するドリブルを見せるなど効果は出ている。

 「日本代表候補合宿ではたくさんの刺激を受けた。自分の良さを出して、それを結果に結び付けるのが課題」と言う。帰りのバスに乗り込む手には、目的達成のための気持ちの持ちようを書いた心理学者の著書があった。W杯ロシア大会に向けて開催年の「2018」とプリントしたすね当てを着用。慢心することなく目に見える結果を出していく。【青木沙耶香】