前節に首位に躍り出た浦和が、GK西川周作(29)とDF槙野智章(28)のハリルジャパンコンビで、横浜MF中村のFK弾を封じにかかる。明日10日にアウェーで4位の横浜と対戦。昨年8月の対戦では中村のFKゴールなどで0-4と大敗し、年間勝ち点1位へ痛いつまずきとなった。今季は日本代表のハリルホジッチ監督も求める「ファウルしない守備」で、中村にFKの機会を与えずに勝つことを目指す。

 世界クラスの左足も、蹴らせなければ失点につながらない。8日の練習後、浦和GK西川は「相手には一発という武器がある。球際で厳しくいきつつも、ゴール前でのムダなファウルはなくしたい」とうなずいた。昨年の同カード。前半28分に、中村に見事なFKゴールを決められた。それをきっかけに昨季ワーストタイの4失点を喫した。

 同じ轍(てつ)は踏まない。槙野は「今年はファウルをしない守備にこだわっています」と繰り返してきた。5日のACL広州恒大戦では“55億円男”コロンビア代表FWジャクソン・マルティネスを1対1で止めるなど、球際の強さをみせた。しかもファウルは攻撃参加時の1回のみ。自陣では1度もせずに乗り切った。

 リーグ戦でも3月12日の福岡戦など、ノーファウルの試合が増えている。DF森脇、遠藤らにも「ファウルをしないようにしよう」と徹底。昨季よりも最終ラインを高く保ち、前に出ながらの守備ができている。チームとして、ゴール前でのファウルは減ってきた。

 しかも、最後方には日本代表の守護神に定着した西川。FKを蹴らせたとしても、今度こそ止めると意気軒高だ。日本代表のハリルホジッチ監督は「JリーグのDFは、ボールを取りにいくと10回中9回はファウルしてしまう」と苦言を呈する。言われっぱなしではなく、きちんと改善できていることを、FKの名手相手の一戦で証明する。【塩畑大輔】