浦和DF槙野智章(28)が「槙野ルーティンの真価」が問われる一戦に臨む。10日にアウェーで横浜と対戦。5日にACL1次リーグで、アジア王者の広州恒大に1-0で快勝した直後だけに「同じテンションで試合に入れるかが大事になる」と表情を引き締めた。

 コロンビア代表FWジャクソン・マルティネスや、ブラジル代表でも活躍してきたMFパウリーニョ、グラルらを擁する強豪相手に終始主導権を握って戦い、勝ち点3をもぎ取った。ペトロビッチ監督も「体力的な面だけでなく、頭も消耗したゲーム。あの3選手を、どうしたら抑えられるか、頭を使って戦うことが必要でした。普段のゲーム以上に疲れているのは間違いない」と振り返る。

 モチベーション的にも、広州恒大戦でいったんピークを迎えた。大半のチームなら、気持ちが途切れてしまうところだ。

 槙野 広州恒大に快勝したことで、サッカーに関わる方々の、自分たちへの見方は間違いなく変わっていると思います。だからこそこの試合は非常に大切。「やっぱり燃え尽きちゃったね」とか「相手によってテンションが変わるんだね」と思われてはいけない。むしろ、広州恒大戦以上のテンションを出していかないと。

 ただでさえ、簡単な相手ではない。横浜には昨季アウェー戦で、MF中村の直接FKを契機に0-4と大敗。年間勝ち点や得失点差など、年間優勝を目指す上で重要なポイントを、まとめて失った。

 だからこそ槙野は広州恒大戦後「どんな相手、どんな大会でも、やるべきことは変わらない。相手によって合わせるようなら、成長はない」と周囲に口を酸っぱくして言い続けてきた。

 もともと、試合ごとにテンションを変えないようにと、自分に言い聞かせるルーティンを取り入れていた。キックオフ直前、手のひらを見つめながらつぶやく言葉がある。

 「頑張る時は、いつも今」。

 横浜戦は「いつも頑張れるか」が問われる一戦になる。広州恒大戦では自陣で1度もファウルをせず、強力攻撃陣を完封するなど、DFとしての実力も磨かれている。メンタル面でも波のない強さを発揮することで、さらなる高みを目指す。