東京-新潟戦で“珍事”のような形で先制点が生まれた。前半23分だった。東京GK秋元がシュートのこぼれ球を拾うと、前線へ視線を向けた。1度は蹴ろうとしたが、持ち直してパスコースを探していると、主審のホイッスルが鳴った。6秒を超えてボールを持っていたとして、ペナルティーエリア内で間接FKが新潟に与えられた。

 納得がいかず主審にアピールする秋元が持つボールを、新潟FW山崎がはたいてマイボールにすると、素早くリスタート。左後方から走るMF成岡へパスして先制点が生まれた。東京の選手たちは猛抗議。城福監督もベンチ前で何度も異を唱えた。試合後、秋元は「ジャッジは変わらないし、自分の不注意なのでしっかり反省したい」と責任を背負い込んだが、プロ10年目の秋元でさえ初めて受けた判定。しかも、試合開始から1度も注意を受けることなく笛が鳴った。

 「6秒ルール」からアシストした山崎は「(GKが)1回蹴ろうとしたのをやめたのを見て、あれっと思ったら笛が鳴った。早く先制点を取れたのはよかった」。新潟の吉田監督は「ラッキーというか、ルール上正しいというのか分からないけど」と微妙な言い回しで振り返っていた。