鹿島が6連勝締めで第1ステージを制した。2位川崎Fと勝ち点1差で迎えたホームでの最終節。前半27分にDF山本脩斗(31)が先制するなど最下位福岡を下し、01年後期以来6度目のステージ優勝を遂げた。3連覇した09年以来7季ぶりとなる年間優勝へ、11月のチャンピオンシップ出場権と賞金5000万円を獲得した。

 元日本代表FWの鹿島柳沢敦コーチ(39)も、現役時代に続くステージ優勝を遂げた。引退と同時に就任した昨季は控え組を担当。トップチームの遠征時、地元に残って教えたMF杉本を大一番の先発に成長させた。今季はトップを担当、試合中はスタンドから分析した情報を現場に落とし込む。「コーチ業を勉強させてもらっている段階。もっと個人も全体も見られるようにならないと」と満足しないが、選手への熱い訓示など昨季はなかった姿だ。

 鹿島の前回ステージ制覇は01年後期。東京V戦で柳沢が2得点し、優勝が決まった。当時は24歳の柳沢、22歳の小笠原、曽ケ端らが躍動。今季は24歳柴崎、23歳昌子、21歳植田が中心になって優勝したが「比較はできない。歴史は過去の先輩が積み重ねたもの。今の若手が、自分たちで新たな歴史を積み上げていかないと」。コーチとして世代交代に貢献しつつあるが「もっと先を見ている」と目標は年間優勝だ。王者のDNAを引き継ぐ作業は続く。