天皇杯をステップに“実りの秋”につなげる。J2札幌MF小野伸二(36)が今日27日の天皇杯1回戦筑波大戦(札幌厚別公園競技場)でメンバー入りする。昨季もリーグ中断期間の8、9月に天皇杯1、2回戦から出場し、徐々に状態を上げ、リーグ戦での先発復帰、初得点と続いた。天才が段階を踏んでギアを上げ、昇格争い終盤のキーマンになる。

 リーグ中断期間に小野がスイッチを切り替える。26日は雨の中、厚別公園競技場でフルメニューを消化。筑波大戦に向け「とりあえず勝つこと。大学生の中でも質が高いチーム。こっちは、しっかりリーグ首位の自覚を忘れないようにやりたい」と前を向いた。

 5月に股関節痛を訴え2カ月間離脱も、7月25日岐阜戦でリーグ戦に復帰し、6試合に途中出場。徐々に出場時間を延ばしてきた。前節熊本戦では復帰後最長の22分間ピッチに立ち「問題なくできた」と、手応えを口にした。次は先発復帰。この天皇杯で、さらにひとたたきしてキレを増す。

 「去年みたいに、うまく秋につなげられたらいいよね」。昨季は7月に左太ももを痛めるも、8月15日岡山戦でリーグ戦に復帰した。2試合に途中出場して中断。8月29日の天皇杯1回戦札幌大戦で途中出場、9月5日の2回戦では公式戦初先発し、攻撃の起点として勝利に貢献した。“予行演習”を経てリーグ初先発となった9月12日、再開初戦の横浜FC戦では前半29分、FKで内村の先制ヘッドをアシストし、四方田体制初勝利を呼び込んだ。

 今季もリーグ戦で途中出場を重ねてから中断に入った。今日27日の筑波大戦は途中出場が濃厚。流れは昨年とほぼ同じで、9月にスタメン定着、10月に初ゴール、2戦連発と、夏から秋にかけ、段階を踏んで爆発した15年を再現する。

 この日から、GKクがリオ五輪出場の疲労を考慮し4連休に入った。熊本戦先発メンバーもランニングなど軽いメニューと、プチ充電に入った。小野はここまで11戦234分無得点と不完全燃焼。休まずに戦い、ベストパフォーマンスを取り戻す。【永野高輔】