Jリーグ実行委員会が6日、東京・本郷のJFAハウスで行われ、来季から1ステージ(S)制に再移行する案が確認された。収入増を目的に15年から「2S+ポストシーズン制」を復活させたが、3季ぶりに1S制に戻して年間王者を決める。英パフォーム・グループと10年2100億円の放送権料契約を結んだことで財源を確保。順位決定法や過密日程で不満の声が上がっていた2S制にこだわる必要がなくなった。外国人枠の拡大も議論された。

 わずか2年で、2S制に幕が下ろされる見通しとなった。J1、J2、J3の計56クラブの社長らが集まった会議で来季の日程案が話し合われ、大枠が固まった。最大の案件は1S制の復活。複数の出席者によると、14年まで行われていた年間34試合を戦う制度への再移行プランが固まった。

 Jリーグは15年、2ステージ制を11年ぶりに再導入した。前後期の王者と年間勝ち点3位まで、最大5チームが出場できるチャンピオンシップ(CS)で年間王者を争う方式に変更。海外では1S制が主流だが、Jリーグでは観客動員数が減り続けたため、経営面の不安から2S制に移行した。前期と後期の優勝、ポストシーズンとヤマ場を多く設けることで収入増を図った。

 2S制には、サポーターやクラブから不満の声が上がっていた。昨季は年間勝ち点1位の広島がCSも勝って年間王者に輝いたが、勝ち点1位でも優勝できない可能性があった。最終節とACL決勝の日程重複問題もあった。過密日程も課題で、今季は史上初の2月開幕に踏み切り、第1S最終節(6月25日)と第2S開幕戦(7月2日)のインターバルが1週間しかない日程を組むしかなかった。

 しかし来季から、英国に本社を置くパフォーム・グループと10年2100億円もの放送権契約を結び、財務状態が上向く。世界の流れからも逆行していたが、財源確保の見通しが立ったことで復活。苦肉の2S制に、こだわる必要がなくなった。年間34試合を戦って得た勝ち点で、来季は真の王者を決めることになる。

 実行委員会では、外国人枠の拡大も議論された。現在は外国籍選手を1クラブ3人まで登録でき、さらにアジア枠、タイなど8カ国のJ提携国枠、アマチュア枠、20歳以下のC契約枠の中から2人を登録できる。最大5人の起用が可能だ。この日は「日本人を15人以上、保有していれば、それ以外の全選手が外国籍選手でもいい」という「たたき台」が示され、枠を広げることで議論が進められた。

 極端に言えば、日本人15人、ブラジル人15人という構成でもOKになるかもしれない。その上で、外国籍選手がピッチ上には同時に3人+アジア、提携国枠の1人しか立てない、現行制度についても話し合った。外国人枠がないプレミアリーグなどを参考に、何人まで日本人を減らし、外国人枠を増やすか、人数について今後、調整をしていく。

 国内組の出場機会を一定程度は確保することが課題になるが、Jリーグでも外国人との対戦経験を増やすことで成長と日本代表強化を図る狙いがある。

 ◆Jリーグ提携国 タイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、イラン、マレーシア。