浦和が第2ステージ(S)全節得点で年間勝ち点1位を狙う。明日3日の最終節横浜戦(埼玉)で得点すれば、02年の磐田以来のステージ優勝+全試合ゴールを達成。当時は延長戦があったため、90分内で得点すればJリーグ初の快挙になる。前売り券は今季初めて完売し、約6万人の観衆の前で快記録に挑戦する。

 FW武藤は横浜戦を前に「守備はマリノスの良さだけど、いかに打ち破るか。必ず点を奪う」と話した。第2Sは第1節からチームとして16試合連続得点中。最終節でゴールが決まれば、ステージ制が採用されたシーズン限定とはいえ、「優勝+全試合ゴール」というJ初の記録が誕生する。

 浦和にとって、横浜戦は鬼門となっている。4月の第1S6節ではアウェーで引いて守る相手を攻めきれないなど、昨年の第2Sを含めて横浜戦は2戦連続でノーゴール。MF高木は「先に失点すると難しい展開になる。それだけは避けて、辛抱強くやれば」と警戒した。

 ルヴァン杯決勝はPK戦までもつれたG大阪との激闘を制し、リーグ戦は前節でステージ優勝を決めた。シーズン後半に弱いと言われ続けた「失速の浦和」のイメージは払拭(ふっしょく)されたが、DF槙野は「(リーグ優勝の)タイトルを取ることが証明になる」と緊張感を切らさない。笑顔の裏に、勝利へのこだわりを漂わせた。

 オフ明けの1日は昼前から約2時間の練習。明るいムードでのウオーミングアップから、ミニゲームに入ると熱がこもった。歴代最多勝ち点など他にも記録がかかる一戦になる。槙野は「役割を全うして、そこに結果がついてくればいい。順番を間違えないように」と冷静に言った。年間2位の川崎Fとの勝ち点差は「1」。ゴールを決めても、年間1位にならなくては意味がない。変わらぬ強さを見せ、チャンピオンシップへ弾みをつける。【岡崎悠利】

 ◆年間勝ち点1位の行方 決定は11月3日の最終節で、浦和は勝てば無条件でCS決勝へシードされる年間勝ち点1位が決まる。なお、ACLの出場権は来季も同大会の出場枠が現行方式のままなら、天皇杯の結果次第でリーグ年間4位も可能性が残る。

 ◆02年の磐田 第1、2Sを含めた全37試合で得点した。当時は延長戦があり、前後半は無得点に終わり、得点は延長戦のみだったケースが4試合ある。現監督のMF名波を中心とした「Nボックス」と呼ばれる戦術で試合を支配。FW高原が26得点、中山が16得点だった。