J2清水FW大前元紀(26)とFW鄭大世(32)が、Jリーグ新記録を樹立した。ホームで京都と対戦し、4-1で快勝。1点リードの後半20分に鄭が追加点を挙げ、3ー0で迎えた同34分に大前がダメ押しの4点目を決めた。両エースはJリーグ史上初の5試合連続アベック弾を達成し、チームを9年ぶりの6連勝に導いた。今季残り3試合。この勢いでJ1自動昇格圏2位以内を目指す。

 大前&鄭のダブルエースが、Jリーグの歴史に名を刻んだ。DF角田誠(33)の清水加入後初ゴールで先制すると、後半20分にFW鄭が鮮やかに決めた。左クロスを右足ダイレクトで追加点。さらに、チームはMF白崎凌兵(23)のゴールで3-0とし、最後に大前が魅せた。同34分、左クロスを左足で合わせてダメ押しの4点目。Jリーグ初となる5試合連続アベック弾にホーム・アイスタのボルテージは最高潮に達した。

 大前 守備が体を張ってくれていた。何より勝てたことがうれしい。

 鄭 前半無失点でしのげたことが大きい。狙っているクロスから取れたことは良かった。

 快挙達成にも2人の思いは同じ。記録は二の次で、連勝できていることに手応えを感じている。

 この日はハーフタイムにGK植草裕樹(34)が交代し、後半12分にはMF本田拓也(31)が右足首を痛めて退場した。2度のアクシデントに見舞われたが、交代したGK杉山力裕(29)とMF河井陽介(27)が好プレーを見せてカバー。小林伸二監督(56)も「厳しい試合の中で点が取れることは、チームの調子が上がっているということです」と言った。

 今季も残り3試合で2位松本との勝ち点差は3のまま。自動昇格圏の2位に入るには勝ち続けるしかないが、両エースの勢いは止まりそうにない。大前が「残り3連勝するだけ」と言えば、鄭も「大事なのは勝ち続けること。この勢いで3連勝したい」と言い切った。決して浮かれないダブルエースは、チームの目標「J1復帰」を達成するために、最後まで走り続ける決意だ。【神谷亮磨】

 ◆Jリーグアベック弾記録 95年にヴェルディ川崎(現東京V)のアルシンドと武田が4試合連続。J2では、04年に川崎Fのジュニーニョとマルクスが4試合連続を達成。